飛行中に医療用酸素が必要な方は、飛行機への酸素ボンベの持ち込みが必須です。
しかしその手続きは複雑であり、事前の準備が必要です。
この記事では、飛行機に医療用酸素ボンベを持ち込むための具体的な手順と必要な準備を実体験に基づいてご紹介します。
医療用酸素ボンベが必要な人とは主に呼吸関連の病気を持っていらっしゃる方になります。
具体的な病名としては
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 肺線維症
- 肺高血圧症
- 重度の喘息
- 肺がん
これらの病状は、肺が十分に酸素を体内に供給することができないため、外部から酸素を補給する必要があります。また、特定の心疾患や急性の医療状況においても、追加の酸素が処方されることがあります。
咳が激しい、少しの運動で息があがる等の異常がある方は早めに病院へ行き受診して下さい。
僕の父親は一人暮らしで病院にも行かず、いざ受診したときには肺がん「ステージ4」でした。
周りの方で気になる症状がある場合でも病院での受診を促して下さい!
医療用酸素ボンベが必要な方が飛行機で旅行や遠出をしたい!と言う方向けに解説に入って行きます。中には飛行機に乗れないと思っている方もいらっしゃる場合もあるかもしれませんのでこの記事が有益な情報になればいいなあと思います。
医療用酸素ボンベを飛行機に持ち込む前の準備
お手本がないとすごくややこしい準備手順。一つ一つ解説していきますが多少航空会社によっては違いがあると思います。今回は「天草エアライン」に協力して頂き、無事フライトする事ができました。是非参考にしてみて下さい。
AMX公式 天草エアラインホームページ | 航空券 空席照会・運賃案内・時刻表
1.かかりつけ医への相談
まず飛行機に乗っての移動をしても良いか?との確認を医師にして下さい。
病状の進行具合によっては「体力が持たない」と判断される事があるかもしれません。医療用酸素ボンベをしていればOKと言うわけではなく、ご自身が大丈夫と言っても医師の判断に従って下さい。
最悪、体力が持たず亡くなられる可能性があります。
周りが見ているより、本人が思っているより病状が悪い方は想像以上に命を削っているかもしれないのです。
僕の場合は医師の許可を得て医療用酸素ボンベを用い、飛行機に搭乗して遠方に連れて行くことができました。
しかし後から聞いた話ですが医師から本人へ「行けば余命が半分になる」と告げられていたそうです。
本人はそれでも、行きたかったのです。僕は亡くなった後聞かされ最後の親孝行が出来たと思いました。
医師からの許可を得たのであればどんなリスクがあっても、本人の意思を尊重してあげることが大事だと思います。
2.酸素ボンベメーカーへの事前連絡
次に、飛行機で移動がしたいとの旨を酸素ボンベメーカーへ連絡をします。
通常は在宅時は酸素供給機器で酸素を、出かける際は医療用酸素ボンベを、と言った形で使い分けられていると思います。
例えば医療用酸素ボンベ300Lの容量であれば使用流量にもよりますが0.5Lなら10時間。
3Lなら1時間40分程度で無くなってしまいます。
常に予備を1~4本程度ご自宅にストックされている場合が多いと思いますが長旅、それも宿泊となるととてもじゃないですが
通常ストックしている分では不足します。
ですので「予め飛行機で遠出をする」旨を酸素ボンベメーカーへお伝えし、必要本数を確保しなければなりません。
航空会社への事前連絡
チケットの予約を行う前にまず電話で問合せをして下さい。
医師から許可を得たのでOKと言うわけではありません。航空会社からすると言わば「危険物」を飛行機へ積む意味がありますので事前の手続きがあります。
よく考えれば医療用酸素ボンベと言えど酸素が充填されていますのでちょっとでも火元があると爆発の原因になります。あくまで「危険物」との意識を持って日々の取り扱いとご搭乗をして頂きたいと思います。
航空会社への提出書類
医師の証明書の取得
医療用酸素ボンベを用いて飛行機へ搭乗、予定しているスケジュールでの移動を許可すると言う医師の証明が必要です。その旨、かかりつけ医にお伝えすればすぐに出してくれました。
前もって早い段階から証明書を貰えば良いと言うわけではありませんでしたのでよく確認して動いて下さい。
酸素ボンベ仕様証明書の取得
実際に使用した原紙をご紹介します。
これらの用紙はメールにて受け取り、自分で印刷しました。メールが出来ない方は予め搭乗予定のカウンターにて案内を受けて下さい。
この用紙を手元に置き、酸素ボンベメーカーの方に記入をしてもらいました。(自分で書かない)
以上2点の書類を航空会社へ提出しました。
こちらの手続きは恐らくどの航空会社も似たような手順を踏まないといけないと思います。
その他、安全規制の確認
その他航空会社の安全規制を確認し、持ち込み可能な酸素ボンベの種類(圧縮酸素または液化酸素)やサイズ、重量制限についてもよく酸素ボンベメーカーと連携を取って確認して下さい。
空港での手続き
空港到着~搭乗までの流れをご紹介します。
複雑な事前の準備は終わっていますのであとは空港スタッフの案内に従って搭乗に進んでいきます。
ただし、通常の搭乗との違いがありますのでご覧ください。
チェックイン時の申告
空港のチェックインカウンターで医療用酸素の使用を申告し、必要書類を提出します。
予め連絡はしているので航空会社のスタッフ側も把握してくれています。案内に従って搭乗までの時間を過ごしましょう。
僕の場合は車椅子を使用していましたので航空会社が用意した搭乗用の車いすに乗り換えました。
セキュリティチェック
指示に従い、酸素ボンベを含むすべての医療機器をセキュリティチェックに通します。個別の検査が必要な場合がありますので、余裕をもって手続きに臨みます。
荷物として預ける酸素ボンベはスタッフの方へお渡しし、預けました。
搭乗ゲートでの確認
搭乗前にもう一度航空会社のスタッフと酸素使用の確認を行い、席の近くに酸素ボンベを安全に配置できるよう手配します。
通常の搭乗ゲートではなく、別のルートで搭乗となりました。(車椅子なので飛行機まで車で移動)
搭乗した後は車椅子が倒れないよう固定されます。
身動きが取れないので本人はつらいと思います。(コロナ禍でしたのでマスクも苦しそう)
飛行機の乗り継ぎがありましたので空港スタッフ数人がかりで対応して頂きました。
非常に助かりました!
注意点
- 旅行先や乗り継ぎの国々の規制も確認しておくことが重要です。
- 酸素ボンベは直接の日光や高温を避け、安全な場所に保管してください。
- 飛行機のプレッシャー変化に対応するため、航空会社の指示に従い適切な酸素ボンベを選ぶことが重要です。
とにかく、前もって事前準備は簡単そうで大変です。抜けがあれば搭乗できませんのでしっかり事前に確認をしましょう。
医療用酸素ボンベの扱いにも馴れておく必要があります。
まとめ
医療用酸素ボンベを飛行機に持ち込む際は、多くの規制と手順が伴いますが、適切な準備を行うことでスムーズに旅行することが可能です。事前の計画と準備を怠らずに行いましょう。
何より、命にかかわる移動となります。緊急時は周りの手助けを求める心がけが大事です。
大事な旅を円滑に進めれるよう頑張りましょう!
この記事が誰かの役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!